Day1

なぜ、座標は理解しづらいのか?

Topへ

Day2へ

はじめに

おいさんが、建設会社に入社して、最初にぶつかった壁が、まさしく測量でした。今思い出してもつらい記憶です。
そんなつらい記憶を呼び起こしながら、測量についてまとめていこうと思います。
記念すべき第1回の内容は、座標についてです。とにかく、座標自体が最初全くはまらず苦労しました。
なので、それについて書くことにしました。

Step1

なぜ、座標は理解しづらいのか?

image

座標をわかりにくくしているのは、画像のとおり、X軸及びY軸が異なるためです。たったこれだけです。後は三角関数ができれば座標計算は簡単にできます。

image

ある形をそれぞれの座標空間に入れてみると画像のとおりとなります。
当たり前ですが、数学座標と測量座標では位置が異なります。そのため、CADですんなり作図することができません。つまり、CADで作図するには、このX、Y軸の関係を改善すれば良いということになります。
多くのCADの場合、起動時はやはり数学座標になっています。なので、X軸とY軸を入れ替えれば座標空間になります。

image

AutoCADの場合は、X軸回りに180°回転させるだけで座標空間になります。
この座標空間の利点としては、既知の座標が2点さえあれば、この空間内で作図したすべての位置の座標値を取得できることになることです。

image

例として、今、座標値がわかる点が2つあるとします。この2つの点をCAD上の図面座標に併せます。
そうすると、測量座標=図面座標となるので、他の未知点のすべての測量座標を図面座標から読み取ることができるようになります。

Step2

座標原点(0,0)はどこ?

image

日本では、全国を19の座標系に分けています。これを平面直角座標系といいます。例えば福岡県は、経度131°、緯度33°を原点とする平面直角座標系2系(Ⅱ系)になります。
よく地積測量図にⅡ系という表示がありますが、これは平面直角座標系のことを表しています。平面直角座標系の定義は国土交通省で告示されています。(この告示にX軸を北にすることも定義されています。)

image

画像のとおり、例えば岡山県のほとんどの地域は5系の原点の左下に位置していることがわかると思います。よって、岡山県のほとんどの地域の座標はX、Yともに必ず負(-)の値になります。
逆に、4系を原点とする香川県と徳島県はX、Yともに必ず正(+)の値になります。